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台形ねじのシャフト完成しました

台形ねじのシャフト完成しました
  • オリジナルと新造品の比較。左ねじを右ねじに改良。送りも荒くしてあるので前後するスピードがオリジナルよりグングングルト!

  • ねじ切りより池貝に限ってはテールストック本体に組み込む方が難しかったです

名称 台形ねじのシャフト完成しました

結局、シャフト(オス)と砲金の(メス)の製作時間が、のべ8時間以内ではできませんでした(短いオスゲージの台形ねじは含まないのでなおさらです)

で、それは良いのですが、このシャフトを先日バラした池貝のテールストックに、組み込むのに難儀し、さらに3時間くらい、ウンウン唸ってしまいました(汗

敗因は、普通、バラす時は、元に戻すことを考慮して、マジックで線を引いて固定位置の印をつけたり、スケッチしたり、あるいは写真を撮って、工程を覚えておかなければならないのですがそれをしなかったことに尽きます。

 

池貝の旋盤のテールストックには進み速度がギアがけで1倍と 1/5倍(五分の一倍)の切り替えができるようになっていて、ドリル作業が非常にスムーズにおこなえます

一度、「1/5」倍速の機械を使用したら、もう1倍速でドリル切りをする気にはなれないくらい便利です

この旋盤は、比較的最近入手したもので(いや、ほとんどの旋盤がつい最近手に入れたものです)「このザクとて、わしと百戦錬磨の戦いの中を潜り抜けてきたのだ!」(←それ、死亡フラグですわよ?)的な旋盤は20代の時、この仕事を始めたときに購入した、もうすでに旋盤事業から撤退していた「浜津」というメーカーの振りが、カタログデータ上1000の比較的大きな旋盤で(中部工機の6尺より振れます 無理ができます。現在、旧工場で休眠中故に使用できなくていろいろ不便)当時、研究と称して、仕事が終わってから分解組み立てや調整(カミソリの調整程度ですが)を行っていました。偶然にも幸運なことに浜津旋盤も池貝同様、テールストックにギアが内蔵されていて「1/5 倍速」の切り替えができるタイプで内部構造もシンプル、メンテも容易な設計だったので、池貝テールストックの分解も簡単に考えていて、失敗しました(使用感、使い勝手、利便性はまったく同じなのにねっ!)

組み立てるのも難しかったのですが、バラすほうが、素人の私には難解で(普通、バラすのは簡単だろうと考えられるかもしれませんが)例えば、かなりの部品に、テーパーピンが刺さっていました。これは「ピンポンチ」で逆から叩けば簡単に取れるのですが、中には構造上ポンチが入り込まない位置にあるものがあり(当然他を先にバラせば、とれるのですが)推理小説というか、ジグソーパズルのように、謎解きをしなくてはならず難儀しました(分解手順のマニュアルがあれば容易)テーパーピンは(絞り屋も一応「機械屋」の端くれなので)時間をかければ分解できるのですが、ストレートの「スプリングピン」が、厄介で厄介で、理屈では「食いつかせて引き抜く」わけですが、理論上の話で「食いつかせるものが折れてしまったりとか」稀に、物凄く苦労して、なんとか上手く引き抜けたピンも「引き抜く必要はなかった。組まれたまま取り外せた」(←メーカーも工夫している)物を時間をかけて苦労して抜いてしまったり・・・と、大変でした。(当たり前の話ですが内部にねじが切っているピンが一番楽に抜けます)

池貝旋盤は中ハンドルや小ハンドルも(私は気に入らなかったので)自分の好きなハンドルと交換しようにも、テーパーピンで位置決めされているので、交換に二の足を踏んでいたので、気が付くべきでした。

何とか、元に戻せた要素の一つに、部品取りで入手した、ジャンクパーツ。別の池貝旋盤のテールストック(のみ)があったので、その内部構造をアタることで、組み戻しの近道にもなりました

鋳物ベースのBOX型のギアBOXも最小限の穴というか窓しかなくて、パズルのように順序を守って(その順序が判らない)一つ一つの小さなギアや小さな軸を外して窓から取り出さないと分解できない。内部で遊んでる部品があっても窓が狭すぎてほかのパーツを考えて先に抜き取らないと取り出せない・・・等々・・とにかく苦労しました。

メモ:小規模なへら絞り加工の工場(こうば)は、ジャンクのベッド、ジャンクの変速機、ジャンクのテールストックを、でっち上げて「へら絞り旋盤」を製作する

(この場合のジャンクとは「部品取りパーツ」であって、普通に使える部品を指します)そのほかに、機械の足と「テコ台」という部品を、切削&溶接で新造します(いつか、このブログでも製作記を紹介させていただきます)

 

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