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テコ台の制作

テコ台の制作
  • これが素材です。もう・・「殆どタダ!」・・・なのですが磨きの角棒は、高いです(と言っても高く見積もっても3万円しないと思います)これは、会社の経費で購入します(させるのです)家内工業の奴隷いや、お手伝いさんは、小さく固まっってしまった上が絶対許可しない道具や工作機械の購入に忙しくそこまで手はまわりません。よってテールストックなど改造していると、「菊ワッシャ」や「キー溝用エンドミル」の購入に何か月も待たされたりすることが多々あり(そうなると作りかけの設備の工程が部品待ちや道具待ちで止まってしまう)作りかけで何年も止まっている絞り旋盤などが狭い工場内に鎮座ましますことになるのです。

  • もう忘れてしまいましたが、この画像はおそらく、クランプするときに水平を出しているのだと思います。大体出しておかないで、斜めにクランプしてしまうと、平らになるまで余計に切削しないとならないので、悪手だからだったと(思います)あるいは、切削後平面度を見ていたとするのであれば、その行為に何の意味がるのか「謎」です

名称 テコ台の制作

2017/6/22

 

テコ台の制作記です。

バトル漫画で連載開始時の強敵が連載が進んで何年も経過すると全く歯が立たないレベルまで落ちてしまうように、大正時代の剛性のテコ台やマヌケな構造(無理がある設計)ですと、使用者(ヘラ工)の精神が非常に消耗するので、工夫するのがベストですが、この「標準機絞り旋盤タイプ」のテコ台の設計の定石は「3パターン」位と確立されているので、今後の「テコ台制作記」に新技法など殆どありません(3パターン以外で、これ以上のテコ台があったら目からウロコですが、これ以下の設備を使用している人もいません 昭和30年代ならともかく・・)

 

材料は例によって殆どタダで出来てしまうのですが、底辺パーツに(社内にあるテコ台を参考にしたので)うっかり、「磨きの四角い棒」を注文してしまったので(いくらしたか忘れましたが)2本で、2万円位したでしょうか??(高く見積もっても3万円以内だと思います)もうずいぶん昔に作ったので、細かいことは忘れてしまいました。

丸棒でも角の鋼材でも「磨き」の製品は、「あまり溶接には向かない」ということを当時知らなかったので(黒皮材料に比べて、加工後変形するのです)磨きを購入してしまいました。使用していて問題はありませんが、「磨き材料」は高いので小規模工場では「黒皮の角棒」を購入すべきでした。

利点は安い他に、磨き材とは比較にならないほど「美しい銀色の光沢が得られること」・・・これに尽きます。小規模工場のヘラ工は大抵の道具は自作するので、性能には関係ない部分に情熱をかける(見えないオシャレ?)←見えるけど・・・に凝る傾向がある気がします。毎日毎日、何十年も使うのですから。

フライスでクランプして切削ですが、道具がないので長い材料をバイス一つで加えています。普通、ニ連で(バイスを2つ並べる)加えるのでしょうが、ご予算少々という事でこのような状況での切削です。

底辺部は、お分かりのように、2本の角棒を溶接で平行に連結する手法をとっています。別の技法で、一体物を削りだす(真ん中に四角くて細長い溝を入れる)手法もありますが長い溝を入れるのが面倒くさいのでいや、不経済なことと、平面制度は出しますがそれでも年数が経つと歪んでくるので(全く問題はありませんが)テコ台を機械に締め付けて固定したときに底辺がクランプされることにより沈んで旋盤のベッドにしっくりフィットする点で一番優れているので、この技法を採用しています

普通この場合底辺は「コの字型」方式を採用。 削りだしでも「コの字型」にできますが、どうせ鋼ですし、溶接タイプも削り出しも「歪んでくる」問題はさほど変わりませんので(でも溶接の方が不利だと思います)気にしません

「コの字型」に対して「Oの字」タイプも昔はありましたがO(おー)だと、機械から取り外すときに「ボルトがスライドで抜けない。ナットを外さないとならない」(コの字でないから)という不便さの他に「鋼は歪む」という見地からクランプしたときに「コの字」タイプのように沈んでくれない(ベッドにフィットしない)ので左右に「しんばり棒」をして固定する工夫をしなければならないとか、それ以前にそのような無理な使用法では、接地しているベッド面とテコ台底辺に無理な力がかかり擦れて、機械様(ベッド)の消耗を早めるので廃れていきました。(一般機の話です、中型以上はまた別の問題があるので一概に当てはまる記述ではありません)

 

それから、このように、「設備」というモノは一通りそろえておかないと何もできないのですが(この場合テコ台の制作だけの為のニ連バイスではなく他の仕事にも使うという意)人間、小さく固まってしまうと、そういったことが理解できないようで、「なければないようにやるんだ!!」・・・確かにその通りなのですが、不自由の中で我慢して仕事をする。そこから少しずつ道具を揃えていろいろできるようにするか、現時点から毛が生えたような道具しか揃えず、死ぬまで不自由な設備で「できる範囲の仕事をする」という状況下に陥ってしまうこともあります。

へら絞り加工も同じ。設備がなくてできないときは、明日の為に「設備を用意しておく」→「注文が来て実績、ノウハウを積む」→「さらに難度の高い設備、高価な設備を入れる」(あとはループ)

これで、気が付けば普通の水準の絞り屋になっているワケですが(3メートルくらいの人間ができる範囲での径の手絞り、6ミリを軽く超えるステンレス加工で機械の性能をフルに使いこんだ(できる範囲での)加工、←これらでもできない加工を他社にはない自作専用機で絞り加工できる!等々)

私の口癖は「ず~~っと2軍(厳密には3軍工場)でいろよ!」なのですが、このような理由があります。

「呂布を動かすことができるように、提案をできなかった陳宮は所詮それまでだったんだよ。普通なら呂布を説得して勝利に導くのが「優れている」ということではないのか?」的なことを、よく耳にすることがあるのですが、私は心の功夫が足りないので「そうかなぁ~??あの孔明ですらユニークな采配で有名な「砂袋」の劉備にてこずって、他の並采配の武将に仕えていたら、簡単に天下統一できていたところが、あのザマ。仮に孔明が呂布のような人に仕えることがあったとした場合(人格的にまず、ありえないけど)中国を統一できたとは、とても思えない・・・・天下の3分の一はおろか5分の一すら無理・・・つーか呂布も孔明も物語序盤で打ち取られて、邪魔者がいなくなったことで、漁夫の利を得た曹操が天下を取っていたのではないか??」

などと思っております。ハイ・・・

もちろん私を歴史上の英雄になぞらえて、たとえ話をすること自体相当、「ド厚かましい」話なのですが「上」にもう少し理解があれば「3軍」ではなく、「2軍」くらいのレベルには行ってるのではないか‥などなど考え込んでしまう毎日。

 

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